20070506

過程のプレゼン

先日、友人の藤村龍至くんが個展をやっているプリズミックギャラリーへ。
かねてから、建築家の個展において一般的な形式となっている「模型と図面を展示する」というやりかたにある種の閉塞感を感じていましたが、藤村くんの個展はその形式を踏襲しつつもなかなか面白いものでした。
彼の特徴は「とにかくたくさん検討する」というところにありますが、その検討の過程が展示されていて、しかも途中経過の模型写真に「どんなことを検討し、どう判断したか」というキャプションがついている。
スタディ過程を公衆の目に曝すというのは、化粧の途中の顔を見られるようなもの(僕は男性なのであくまで想像ですが)で、結構恥ずかしいことのようにも思います。
しかし、藤村くんの展示はとても戦略的で、あまり恥ずかしさを感じるようなものではありませんでした。上手い。
この展示は彼の思考過程をどんな文章よりもわかりやすく伝えてくれて、興味深かったのですが、おそらく彼はスタディしているときも、常にその過程を誰かにプレゼンテーションすることを意識しているのだろうと思います。
そういうやり方は、常に隠蔽出来る部分が無いと言うか、とても大変な作業なのではないかという気がしますが、それすら「かえって効率がよい」などとさらりと述べてしまうあたりに彼のしたたかさを感じます。
したたかさ、見習いたいです。