20100106

熊野に行ってきた

年始早々昨年の話になってしまうが、師走の平日ど真ん中に熊野詣でを敢行するという暴挙を成し遂げてきた。
「宿泊費はほとんどかからないから」という友人からの誘いがきっかけだったのだが、彼がいいかげんだったこともあり、一体熊野で何が待ち受けているのかさっぱりわからないまま向かうことに。先に熊野入りしていた彼のナビゲーションによってたどり着いたところは、古座川ということころ。紀伊半島の最南端、潮岬からほど近い小さな町。友人達は、この町にある短期滞在施設として貸し出されている一軒家を拠点としていた。僕は3日間だけの滞在だったが、借り主だったnariwaiの伊藤さんは一ヶ月の滞在だとか。
古座川町は、面積でいうと75%以上が限界集落らしい。こういった集落は、日本中に散在している。町を支えていた産業は廃れて仕事が減り、人口も減り、農地は遊休地となっていく田舎の集落。高齢化が進んでこのままでは集落が無くなってしまうかもしれない。

こういうところに何が出来るかという問題に取り組むのはとても難しい。所謂「戦略」を立てようとしても上手くいかないからだ。
根本的な解決への道は果てしなく遠いし、残酷かもしれないが、そもそも解決が必要かという問い自体にYESと答える人がどれだけいるだろうか。日本のどこかで集落が消えてなくなる、それで何が困るのかという問いに対する明確な答えは無いのかもしれない。
ただ、僕としてはそんな世界にはなってほしくないと強く思うのである。
東京を中心とした経済の動きに乗れなければ存在する意義がないと烙印を押されてしまうような社会にはなってほしくない。というか、そもそも資本主義というのは有象無象の多様性を担保できる仕組みのはずだった。ところが資本主義が市場原理主義と曲解され、金融が幅を利かせ始めた頃から市場と相性の悪いものは淘汰されても問題ナシ!という事態に陥ってしまっている。これでは面白くない。

話が飛んでしまったが、古座川。
ここには、いろいろと面白い動きが出始めている。僕がお世話になった短期滞在住宅もその一つ。古座川を体験してもらい、興味を持ってもらって、町への移住者、定住者を増やそうという試み。
また、こんな施策も始まっている。地域づくり活動の企画運営スタッフ募集。
僕が古座川に滞在している時にはここで行われている「ハナアミ」の体験もさせてもらった。近所に生えている花を摘んできて、アレンジメントを作るというもの。これは、とても素晴らしかった。生活を豊かにする資源は身近にあるということを再認識させてくれる出来事。なにより、アレンジメントを作っているおばさま達がとても楽しそうだったのが印象的だった。まだテスト段階だが、全国に向けて販売可能な仕組み作りも模索されているとのこと。
どれも小さな試みだが、行政レベルや住民レベル、さまざまな位相で動きが出始めている。
立ちはだかる大きな問題に萎縮していてはなにも始まらない。戦略は無くとも、出来ることから、小さなことから始めるしかないのだ。
実は、この「始める」というのが最も難しいのかもしれない。ここがクリアできれば、可能性はぐっと広がるはずだ。
古座川の人々は、動き始めている。応援したい。

20100104

2010

あけましておめでとうございます。
皆様、今年もよろしくお願い致します。
2009年は多くの方のお力添えを頂き、大変充実した一年になりました。
今年もさらに楽しめる一年を目指します。